登戸から和泉多摩川へ多摩川さんぽ。駅を出ればドラえもん、橋を渡れば東京都!
今回は神奈川県の登戸駅からスタートし、穏やかな多摩川を越えて東京都の和泉多摩川駅まで歩いてみました。駅に降り立った瞬間に広がるキャラクターの世界から始まり、江戸時代から続く用水路の澄んだ水の流れ、そして歩いて県境をまたぐ瞬間の高揚感。川とともに生きる街の歴史や絶品カレーとの出会いなど、思いがけない発見が連続する大満足の散策になりました!
ドラえもん一色の世界!遊び心あふれる登戸駅周辺
散策のスタートは、お昼過ぎの小田急線・登戸駅です。ホームに降り立った瞬間から、駅名標も壁もすべてが「ドラえもん」のデザインで彩られていて、一気にテンションが上がります!
ここは藤子・F・不二雄ミュージアムへの直行バスが出ているため、駅全体が遊び心にあふれた空間になっているんです。改札の手前には「どこでもドア」まで設置されており、ドアノブのあたりを触ると映像が流れる楽しい仕掛けになっていました。
すぐ隣のJR登戸駅へ向かう連絡通路では、手のひらサイズの可愛らしいドラえもんのブロンズ像が出迎えてくれます。
駅前の広場は今年の7月に整備されたばかりです。広場には降った雨を自然に地面へ浸みこませて下水の負担を減らす「レインガーデン」という植え込みが作られていて、環境に優しい工夫がされていました。
ミュージアム行きバス乗り場の前には、再開発で一度撤去されていた「ドラミちゃん像」も無事に再設置されています。
駅周辺は2029年度の完成を目指して38階建てのタワーマンションが建設中で、下層階には商業エリアもできる予定とのこと。これからさらに賑やかになりそうな予感がする街です。
あの「空き地」を発見?登戸3号街区公園
駅から歩いて3分ほどの住宅地の中に、「登戸3号街区公園」という場所があります。入口の公園名が書かれた看板が土管の形をしていて、公園の真ん中には3本の土管を模した遊具が置かれていました!
ここは区画整理に合わせて新しく作り直された公園です。こちらの土管を見ていると、まるでドラえもんに登場するおなじみの「空き地」そのもので、のび太たちが集まってきそうな雰囲気に思わず頬が緩みました。バス乗り場からすぐの場所にあるので、ミュージアムへ向かう前に、ちょっと立ち寄って気分を高めるのにもぴったりのスポットだと思います。
江戸時代から続く清流!二ヶ領用水と大迫力の宿河原堰
住宅街を10分少々のんびり歩いていくと、大きな水路が現れました。これは「二ヶ領用水(にかりょうようすい)」と呼ばれる、江戸時代の初めに掘られた農業用の用水路です。現在は水辺の遊歩道として綺麗に整備されています。
水辺まで降りられる階段があったので近づいてみると、川底の石がはっきりと見えるほど水が透き通っていました!木陰が続く細い道は涼しく、浅く穏やかな流れを見ているだけで心が癒やされます。宿河原駅の方へ向かうと400本近くの桜並木が続いているそうなので、春の時期はさらに素晴らしい景色になりそうです。
道路を挟んで多摩川の方へ出ると、巨大な建造物が川の中にそびえ立っているのが見えます。これが「二ヶ領宿河原堰」です。多摩川をせき止めて先ほどの用水路へ水を送るための施設ですが、実際に近くで見てみると想像以上に大きく、圧倒的な迫力がありました。先ほどの細い用水路の水がこの雄大な川から分け与えられているのだと思うと、自然のスケールの大きさを感じます。
川とともに生きる街の歴史。船島稲荷社
宿河原堰のすぐそば、土手の内側にひっそりと佇む小さな神社を見つけました。「船島稲荷社(ふなしまいなりしゃ)」です。赤い鳥居と年季の入ったお社があり、金網で大切に守られた狐の像が置かれています。
境内の石碑には、この一帯を切り開いた人々が治水と農業の守り神としてお稲荷さんを祀ったのが始まりだと記されていました。昭和12年(1937年)の大水害では社殿が水に浸かり、樹齢数百年の御神木が流されてしまうほどの被害を受けたそうです。それでも人々の信仰は途切れることなく、お社は立派に再建されました。巨大な堰もこの小さな神社も、多摩川という大きな自然と深く付き合ってきた街の歴史そのものですね。
酸味が絶妙なアクセント!「ダル梅干しカレー」でランチタイム
神社を出て土手沿いを歩いていくと、多摩川に面した場所にある「リビングカフェ シャンティ」というお店のカレーの幟を発見。ここでお昼休憩にすることにしました。
メニューの中でひときわ目を引いたのが「ダル梅干しカレー(ランチセット1,130円)」です。豆のカレーに梅干しという珍しい組み合わせに惹かれて注文してみました。色鮮やかなプレートには、カレーのほかにサラダ、ピリッと辛いアチャール(インドやネパールの漬物)、そしてひよこ豆のフムスが添えられています。
肝心のカレーは、豆の旨味がしっかりと感じられて想像以上の美味しさでした!気になる梅干しは主張しすぎず、探すとほんのりと酸味がわかる程度の絶妙なバランスです。この豆のまろやかさと梅の酸味のアクセントが抜群で、あっという間に完食してしまいました。
橋の真ん中で県境越え!多摩水道橋から東京へ
お店を出ると、さっきまでの晴天が嘘のように空がどんよりと曇り始めていました。ここからは多摩川にかかる大きな鉄橋「多摩水道橋」を渡り、対岸の和泉多摩川駅を目指します。
橋の途中に「神奈川県」と「東京都」の境界を示す標識を見つけました!ここを一歩またげば、そこはもう東京都です。この橋を境にして、神奈川県側は「津久井道」、東京都側は「世田谷通り」と道の呼び名も切り替わります。ちなみに、橋に水道管が通っていて川崎市の浄水場から都心へ水を送っていることから「水道橋」という名前がついているそうです。
商店街を抜けて再び多摩川へ
橋を渡りきると、すぐに東京都側の「和泉多摩川駅」が見えてきました。薄緑色の三角屋根と丸い窓が特徴的な、とても可愛らしいデザインの駅舎です。
駅を通り抜けると、カワセミの飾りがついたアーチが目印の「和泉多摩川商店街」が続いています。途中、雨がパラついてきたので慌ててドラッグストアで傘を買ったのですが、結果的にすぐに雨は止んで青空が戻ってきました。散歩中の天気は本当に気まぐれです……。
再び多摩川の河川敷へ向かい、1974年の台風による被害を伝える「多摩川決壊の碑」を訪れました。増水した水が当時の古い堰にぶつかって流れが逸れ、こちら側の堤防を削って19戸もの家屋が流されてしまったそうです。
堤防の上の広場にある金属製のモニュメントには当時の写真がはめ込まれており、今の穏やかな川の姿からは想像もつかない自然の脅威を感じさせられます。
新東京百景の多摩川五本松
そこからさらに15分ほど歩くと、「多摩川五本松」に到着します。ここは新東京百景にも選ばれている狛江市を代表する景勝地です。立派な松の枝の隙間から見渡す多摩川と対岸のマンション群の景色は素晴らしく、暑い中を歩いてきた疲れを忘れさせてくれるほどの絶景でした。
関東三大鳥居がそびえ立つ!歴史ある伊豆美神社
住宅街を進んでいくと大きな鳥居が見えてきます。狛江の総鎮守である「伊豆美(いずみ)神社」です。
蝉の声だけが響く静かな参道を進むと、奥にもう一つの古い石鳥居が立っています。表面がざらざらと風化したこの鳥居は、なんと1651年(江戸時代前期)に建てられた武蔵国最古の石鳥居。鎌倉の鶴岡八幡宮、日光東照宮の鳥居と並んで「関東三大鳥居」の一つに数えられている、大変貴重なものです!住宅街のど真ん中に、これほどの歴史的建造物が残っていることに驚かされます。
神社の創建は889年と古く、1550年の多摩川の洪水で元の場所から流され、現在地に移ってきたという歴史を持っています。境内は隅々まで綺麗に手入れされていて、とても居心地の良い心休まる空間でした。
散策の締めくくりは静かな喫茶店で
神社を出て和泉多摩川駅まで戻り、駅の目の前にある喫茶店「ミントン」で休憩することにしました。木を基調とした明るく清潔感のある店内で、夏季限定の「苺のクリームソーダ」を注文しました。
真っ赤なソーダの上にアイスクリームとさくらんぼが乗った、見た目も涼しげな一杯。冷たくて甘いアイスと強めの炭酸の相性が抜群で、歩き疲れた体にエネルギーがスッと戻ってくるのがわかります。静かな空間で、最高のリフレッシュになりました。
まとめ:川の恵みと脅威、歴史を肌で感じる境界さんぽ
神奈川の登戸から東京の和泉多摩川へと、多摩川をまたいで歩いた今回の散策。川の豊かな恵みを感じる用水路や美しい景色がある一方で、水害という自然の脅威と向き合ってきた人々の歴史が、街のあちこちに深く刻まれていました。
県境をまたぐだけで街の空気も変わり、美味しいグルメや思いがけない歴史的建造物との出会いなど、好奇心が刺激される充実した1日になりました。少し歩くだけで色々な表情を見せてくれるこのエリア、ぜひ天気の良い日にお散歩へ出かけてみてはいかがでしょうか?きっと、新しい発見がたくさん待っていますよ!
