【箱根湯本】温泉街は実は日帰りでも大満喫!老舗グルメと歴史散歩を楽しんできた
全国的にも有名な温泉地、箱根湯本駅へやってきました!ここは言わずと知れた箱根の玄関口。ホームに降り立った瞬間から温泉街の空気が漂ってきます!
新宿からロマンスカーなら一本。東海道線でも、小田原駅で箱根登山鉄道に乗り換えるルートなら安く来ることもできるんです。
そんな意外と気軽に来れる箱根湯本、今回は日帰りでぐるっと歩き回ってきました!
老舗の蕎麦屋でランチをしたり、緑に囲まれた美しい滝に癒されたり、戦国時代の歴史にロマンを感じたり。歩くたびに新しい発見に出会える箱根湯本の魅力をご紹介します!
朝9時半の箱根湯本駅、目覚めたばかりの温泉街へ
時刻は午前9時半。ホームに降り立つと、早川に架かる朱色の「あじさい橋」が見えて、それだけで一気に旅気分が高まります!天気はあいにくの小雨模様ですが、傘を差さなくても大丈夫なくらい。天気予報でもすぐ止むみたいなので、さっそく散策に出発です。
改札を出て左手にあるのが「湯悠デッキ」という連絡通路。柱や天井が木造りで、さりげなく箱根らしさが演出されています。下の国道1号線をまたぐ歩道橋のような造りで、反対側のバス乗り場やタクシー乗り場、そしてあじさい橋があるエリアへは、このデッキから渡る形です。
デッキからは、箱根登山鉄道の線路がすぐ近くに見えるのですが、これがびっくりするほどの急傾斜!箱根登山鉄道は1919年開通の、日本でただ一つの本格的な山岳鉄道で、こんな険しい山の中を登っていくのか…と思わず感心してしまいました。
デッキを降りて駅前商店街へ。まだ朝が早いので、お土産屋さんは開店準備の真っ最中。目覚めたばかりの温泉地、という雰囲気がとても良い感じで、朝早くに来ないと見られない貴重な景色ですね。
商店街を抜けると、駅のホームから見えていた朱色の欄干が印象的な「あじさい橋」に到着!橋の下を流れる早川と、その向こうに広がる深い緑の眺めに、しばし足を止めてしまいました。
朝の駅前商店街
あじさい橋から商店街に戻ってくると、さっきは準備中だと思っていたお店も、実はもう開店していることに気が付きました。だって外国人観光客の方が普通に買い物しているんですから。こうして商店街を歩いていて気づいたのですが、外国の方がとても多いんですよね。まだ9時半なのに。いつの間にか箱根湯本も国際的な観光地になっていたんですね。そういえば改札前にもSIMカードの案内があったし、なるほど納得です。
人が少ないうちに、私もお買い物を楽しむことに。食べ歩きできそうなお店を見つけたので、ちょっと寄ってみます。立ち寄ったのは「籠屋清次郎」さん。1814年創業の小田原の老舗かまぼこ屋「籠清」の直営店で、揚げたてのかまぼこを棒に刺して食べ歩きができるお店です。
店員さんにおすすめを聞いて選んだのは、限定の「湘南しらす棒」!揚げかまぼこの上にしらすがたっぷり乗っていて、パリパリに焼かれたしらすと、ふんわりした蒲鉾の食感のコントラストが絶妙。揚げ物とはいえ蒲鉾の優しい味わいで、朝の最初の一口にもぴったりでした。
そしてもう一つ、商店街を歩いていて気づいたのがお店の看板です。なんと、セブンイレブンの看板が黒いんです!よく見ると、横浜銀行やさがみ信用金庫、ローソンも、いつもより落ち着いた色味のデザインに。
これは箱根町の景観条例や、富士箱根伊豆国立公園の自然公園法による広告物規制によるものだとか。全国チェーンのお店も、しっかり箱根仕様になっているんですね。ちなみに中に入ってみると、お店自体は普通のセブンでした(笑)
自然薯そば発祥の店「はつ花そば本店」
商店街の端っこあたりまで来て、左に曲がってすぐの場所にあるのが「はつ花そば 本店」。本当はお昼に寄るつもりだったお店なんですが、すごい人気店なので行列で入れないかも…と諦め気味でした。
ところが時刻はちょうど9時55分。意図せず開店5分前に通りかかってしまい、並んでいるのもまだ3人だけ!これはもうチャンスとしか言いようがないので、朝とお昼を兼ねてこのタイミングで食事を済ませることにしました。
実はこのはつ花、1934年創業の老舗で、箱根名物「自然薯そば」を生み出したお店なんです。水を一切使わず、そば粉と自然薯と卵だけで打つお蕎麦で、戦後の食糧難で小麦粉が手に入りにくかった時代、初代店主が箱根の自然薯をつなぎに使ったのが始まりだそう。さらに今や全国の蕎麦屋さんで定番メニューになっている「山かけそば」も、ここはつ花が発祥なんだとか。
それなら頼むのはもちろん「山かけそば」一択です!発祥のお店で発祥のメニュー、これを食べないわけにはいきません。
これがもう、想像していた以上に美味しかったです!自然薯のとろろが本当に美味しくて、出汁との相性が抜群。自然の甘みがじんわりと感じられます。途中で卵を割って混ぜると、まろやかさが増して味変も楽しめます。
大満足のお蕎麦でした。とってもお勧めです!
400年続く老舗旅館「萬翠楼 福住」と、愛らしいお地蔵さんの「正眼寺」
お蕎麦を食べ終わる頃には、期待通り小雨も止んでくれました。
はつ花のすぐ近くに、見ておきたい歴史的な旅館があるのでちょっと寄り道。それがこちら「萬翠楼 福住(ばんすいろう ふくずみ)」です。創業はなんと1625年、寛永2年。今からちょうど400年前から続く、箱根屈指の老舗旅館なんです!
2002年には、現役の旅館として初めて国の重要文化財に指定されました。明治の偉人たちが宿泊したことでも知られていて、徳川慶喜、伊藤博文、福沢諭吉、西郷隆盛、木戸孝允…日本史の教科書から偉人たちが飛び出してきたかのような顔ぶれにびっくりです。
そこから歩いて10分ほどで、次の目的地「正眼寺」に到着しました。鎌倉時代に地蔵信仰から生まれたお寺で、江戸時代には東海道を行き来する旅人たちの信仰を集めてきたそうです。
境内に足を踏み入れると、赤色のよだれ掛けをした大きなお地蔵さんがお出迎えしてくれます。「石造大地蔵」と呼ばれるもので、頭が大きくて3頭身ぐらい、ちょっとマスコットみたいな愛らしい姿が印象的でした!もともとは、小田原城主・稲葉氏の菩提寺である長興山紹太寺(ちょうこうざんしょうたいじ)にあったお地蔵さんで、正眼寺の地蔵菩薩像が焼失した際に、身代わりとしてここに招かれたんだそうです。
そしてこの正眼寺、実は日本三大仇討ちのひとつ「曽我兄弟」ゆかりのお寺としても知られています。裏山には兄弟を供養するための「曽我堂」もあるそうですよ。
今回のハイライト!「玉簾の瀧」「飛烟の瀧」「玉簾神社」
正眼寺を出て次の目的地に向かったのですが、ここからの道中がなかなかの難所でした。狭くてくねくねした下り坂に、落ち葉や急な階段がいっぱい。雨上がりということもあって滑りやすく、若干怖かったです…!距離も10分以上はあって、正直、徒歩で行くような道のりじゃなかったかもしれません。体力に自信のない方は、車やバスを使った方が安心ですね。
そんな道のりを乗り越えて到着したのが、旅館「天成園」の敷地内にある2つの滝。こちらは宿泊者じゃなくても無料で見学できます。ホテルの駐車場ゲートの奥が入口になっていて、ちょっとわかりにくいのでご注意を。
入口から進むと、まず手前にあるのが「飛烟(ひえん)の瀧」。高さ約20メートル、幅約10メートル。「烟」は「けむり」のことで、岩肌を細い水筋がいくつも流れ落ちる様子から、その名が付いたそう。実はこの滝、1923年の関東大震災で土砂に埋もれてしまい、人の手で今の姿に復元されたものなんだそうです。滝の前の池には鯉が泳いでいて、なかなか風情のあるスポットです。
2つの滝の間にある石段を上がっていくと、「玉簾(たまだれ)神社」があります。箱根神社・九頭龍神社の唯一の分宮で、縁結びの神様として知られているんだとか。ハート型の絵馬も印象的でした。
そしてこちらが「玉簾(たまだれ)の瀧」。高さ約8メートル、幅約11メートルで、こちらは天然の滝です。苔むした岩肌から、幾筋にも分かれて流れ落ちる水の様子が「玉すだれ」のように美しいことから、その名が付いたそう。
滝の前にはしめ縄が架かっていて、神聖な雰囲気が漂っていました。歌人の与謝野晶子や、自由律俳句で知られる荻原井泉水もこの滝を作品に詠んでいて、古くから文人たちに愛されてきた場所なんですね。
道のりは大変でしたが、本当に来てよかった!今回の散策で一番良かったスポットです。箱根湯本に来たら、ぜひ立ち寄ってほしい場所です!
戦国の舞台を辿る「早雲寺」と「白山神社」
玉簾の瀧をあとにして、次は「早雲寺」へ。ここまでの難所とは打って変わって、ゆるい下り坂の歩きやすい道です。横を流れる川を眺めながら、気持ちよく10分ちょっとで到着しました。
早雲寺は1521年に創建された、戦国大名・北条早雲の菩提寺。実は、箱根湯本の町はもともとこの早雲寺の門前町として始まったと言われていて、箱根の玄関口の原点はここにあるんです。
参道は公園のような雰囲気で、ベンチも置かれていて、ちょっと一息つける場所ですね。
本堂の脇には、北条五代の墓があります。ただ、ここは実際の埋葬地ではなく、1672年に子孫の北条氏治が建てた供養塔なんだそうです。
そしてもう一つ注目したいのが、鐘楼の梵鐘。1590年の小田原攻めの際、秀吉が石垣山の一夜城で使ったと伝わるものです。
秀吉はこの早雲寺を一時的な本陣にしていましたが、一夜城が完成すると焼き払ってしまったそうで、今の建物は江戸時代の再建。なお、本堂は毎年11月初旬の3日間だけ特別公開されるそうですよ。
早雲寺から道路を挟んですぐの場所にあるのが「白山神社」です。創建は738年、箱根湯本の温泉の守護神として、地元の人々に崇められてきた古社。
急な石段を上りきると本殿があり、その奥にはなんと大きな岩がドーンと鎮座しています!
これが、秀吉が小田原攻めの際に休息したと伝わる大岩。案内板によると、秀吉はこの岩を背に小田原方面を見やりながら、「石垣山一夜城」築城の想を練ったそうです。歴史のロマンを感じる一景ですね。
早雲寺と白山神社をセットで歩くと、秀吉の小田原攻めのストーリーが立体的に見えてくるのが面白いところ。歴史の舞台がふらっと並んでいるのも、箱根湯本ならではの魅力ですね。
「箱根町立郷土資料館」と、レトロな箱根町役場
白山神社から歩いて10分少々、続いてやってきたのは「箱根町立郷土資料館」。入館料は一般300円で、箱根が湯治場から温泉観光地へと変わってきた歴史を学べる施設です。
常設展示のキーワードは「温泉」と「道」の2つ。江戸時代の「箱根七湯」から、現在の「箱根十七湯」へと発展してきた流れが紹介されていて、箱根の歴史をざっくり押さえるのにちょうど良い時間を過ごせました。
そしてこの資料館の正面にあるのが「箱根町役場」。せっかくなので、ちょっと中を覗いてみることに。すると意外だったのが、役所の窓口があるエリアの雰囲気でした!打ちっぱなしのコンクリートの天井や壁が、年季の入った独特な空気を醸し出していて、昭和の公共建築らしいレトロな空間。失礼な話、ある意味では資料館よりも印象に残ってしまいました(笑)
賑やかな午後の商店街と、純喫茶でひと休み
役場をあとにして、再びあじさい橋を渡って商店街へ戻ってきました。時刻は13時過ぎ。雨もすっかり上がって、あじさい橋も朝とはまったく違う表情を見せてくれます。
そして商店街もすっかり様変わり!朝はちらほらと開店準備をしていたお店が、いつの間にか観光客で賑わう、いかにも温泉地らしい姿になっていました。朝の静かな雰囲気もよかったですが、こうしてワイワイと活気のある商店街を歩くのも、温泉街ならではの楽しさですね。
たくさん歩いてきたので、そろそろ休憩したい気分。ちょうどよさげな喫茶店を見つけたので、入ってみることに。立ち寄ったのは「純喫茶マイアミ」さん。落ち着いた雰囲気の店内はお客さんも少なくて、ちょっとした穴場かもしれません。
注文したのはアイスカフェオレ。すっきりとした甘さで、歩き疲れた体にしみわたります。本当はナポリタンも気になっていたんですが、残念ながら品切れ…これは次回のお楽しみにとっておきます。静かな店内で、ゆっくりリラックスできるいい時間でした。
まとめ
休憩のあと、最後にもう一度商店街をぐるっと回って、お土産屋さんを覗きながら駅へ向かいました。箱根湯本は坂も多くて、歩いて巡るにはちょっぴりハードだったかな。でもそれを乗り越えてでも訪れたいスポットがいくつもあって、本当に来てよかったです!
箱根といえば温泉で一泊するイメージが強かったのですが、こうして日帰りの散策でも十分すぎるほど楽しめる場所でした。今度は紫陽花の季節に、強羅のほうまで足を延ばしてみたいなぁ。
新宿からロマンスカーで一本、ふらっと出かけられる箱根湯本。皆さんもぜひ、街歩きを楽しんでみてくださいね!
