新宿から中央線快速でたったひと駅の中野駅。「中野といえばサブカルの街」というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。実際に歩いてみると、そのイメージは中野の魅力のほんの一部でした!アーケードの脇道には小さなお店がぎゅっと詰まった路地が延びています。少し足を伸ばせば、昔ながらの参道にも出会えます。さらに駅のすぐそばには、江戸時代のびっくりするような歴史まで眠っていました。平日の午後、そんな中野の街をじっくり歩いてきました!

工事中の駅前と、時が止まった「中野サンプラザ」

中野駅北口前

中野駅は、JR中央線・総武線と東京メトロ東西線が乗り入れる駅です。JRだけでも1日に13万人以上が乗車し、同じ中央線の吉祥寺よりも利用者が多いんですよ。現在、駅の西側では新しい改札と駅ビルの工事が進んでいます。新改札は今年の12月6日に使えるようになる予定です。12月9日には、約70店舗が入る駅ビル「アトレ中野」も開業するそうです。

中野サンプラザ

北口の連絡通路を渡った先にあるのが、中野のシンボル「中野サンプラザ」です。1973年の開業以来「音楽の聖地」として親しまれてきましたが、老朽化による建て替えのため、2023年7月に閉館しました。当初は超高層の複合施設に生まれ変わる計画でした。ところが建築費の高騰などで、事業費が予定の約2倍に膨らみ、去年その計画は白紙になってしまいます。

中野区の新しい予定では、解体工事は2030年度、完成は2034年度の見込みです。建物は、今すぐ営業を再開できそうなほどきれいなまま残っていました。新しい駅ができていくすぐ隣で、ここだけ時間が止まっているようです。

地元の暮らしが詰まった「サンモール商店街」

サンモール商店街

北口改札の正面からまっすぐ延びるのが、アーケードの「サンモール商店街」です。頭上には提灯がずらりと並び、明るい雰囲気の通りです。

商店街入口にはたい焼き屋さんがあり、観光向けの商店街かと思いきや……。並んでいるのは、ドラッグストアや眼鏡屋さん、靴屋さんなど、普段の買い物で使うお店が中心でした。大きな店舗は少なく、小さなお店がぎゅっと集まっています。次々に違うお店が顔を出すので、歩いているだけで楽しい商店街ですね。

サブカルの聖地「中野ブロードウェイ」は想像以上にカオス!

中野ブロードウェイ

商店街の突き当りにあるのが「中野ブロードウェイ」です。フィギュアやアニメグッズのお店が集まる「サブカルの聖地」として知られています。

実際に入ってみると、想像よりずっと広い建物でしたね。そしてオタク系ショップと同じくらい目立つのが、高級ブランド店や時計屋さんです。特に時計屋さんの多さにはびっくりしました!さらに、年季の入ったラーメン屋さんや喫茶店、お寿司屋さんまで並んでいます。

地下に下りると大きなスーパーがあり、客層がガラッと変わります。近所のお婆ちゃんたちで賑わっていて、観光客と地元の人が入り混じる不思議な空間でした。

区役所に犬の像?「犬屋敷」の歴史と中野セントラルパーク

中野区役所

中野区役所は2024年に新しくなったばかりの建物です。なんだかカッコいい外観をしてますね。

その公園側の入口近くには、なぜか犬の像が集まっています。理由は江戸時代にさかのぼります。五代将軍・徳川綱吉の「生類憐みの令」によって、このあたりに幕府の「犬屋敷」が作られたのです。

中野区役所の犬のブロンズ像

犬屋敷の広さは、今の区役所を中心に中央線をはさんで約30万坪。東京ドーム20個分ほどの敷地に、多いときは10万頭以上の犬がいたそうです。飼育費は年額九万八千両以上でした。お米の値段で換算すると、現代の価値で年40億〜100億円ほどにもなります。この費用は、江戸の商家や天領の農民たちの負担で賄われていました。駅のまわり一帯が犬小屋だったなんて、スケールが大きすぎます!

中野セントラルパーク

区役所の向かいにあるのが「中野セントラルパーク」です。もともと警察大学校などがあった場所で、2001年の移転後に公園や大学、オフィスビルへと生まれ変わりました。芝生のまわりには飲食店やテラス席があり、秋の過ごしやすい季節にのんびりするのにぴったりです。

飲み屋街「三番街」の先にある「中華そば 青葉」

中野 三番街

サンモール商店街から脇道に入ると、「三番街」の看板が掲げられた細い路地が現れます。焼き鳥屋さんに居酒屋さん、焼肉屋さんと、小さな店舗がぎゅうぎゅうに詰まった飲み屋街です。

この路地の先にあるのが、お目当ての「中華そば 青葉」中野本店。1996年に中野で生まれたラーメン屋さんです。動物系と魚介系のスープを別々にとって合わせる「ダブルスープ」を、広く知られるようにしたお店なんです。メニューは中華そばとつけめんの2種類だけ。蒸し暑い日だったので、つけめんをいただきました。

中華そば 青葉のつけめん

豚骨や鶏ガラのコクに、かつお節や煮干しの風味が重なり、一言では言い表せない複雑な味わいです!うどんと中華麺の良さを合わせたオリジナルの麺はツルツルで、スープにもよく絡みます。

目の神様への参道「薬師あいロード」と「新井薬師」

薬師あいロード商店街

三番街を北へ抜け、大通りを渡ると「薬師あいロード商店街」が始まります。ここは新井薬師へ続く参道です。新井薬師は目にご利益があるお寺なので、「あい」には目の「eye」と「愛」がかけられているそうです。沿道には、創業大正十四年の豆の専門店「薬師 但馬屋」など、昔ながらのお店が残っています。

新井山 梅照院

参道の先にある新井薬師の正式名称は「新井山 梅照院」です。安土桃山時代の天正年間に開かれたと伝わる真言宗のお寺で、目と子育てのご利益で知られています。昔は「東の浅草寺、西の新井薬師」と言われるほど、多くの参拝者が訪れたそうです。

レトロな純喫茶「喫茶ノーベル」でひと休み

駅前まで戻り、下調べで見つけていた純喫茶「喫茶ノーベル」へ向かいました。場所はサンモール商店街にあるタイガープラザの2階です。入口の食品サンプルのショーケースから、もうレトロな雰囲気が漂っています。

喫茶ノーベル

店内は外から見た印象よりずっと広く、照明の雰囲気も素敵です。注文したのはコーヒーフロート。しっかり苦みのあるアイスコーヒーに、溶けたバニラアイスがちょうどいい甘さを加えてくれます。歩き疲れた体がすっかり回復しました!

南口の「なかのZERO」と蒸気機関車のある紅葉山公園

なかのZERO

南口から5分ちょっと歩くと、「なかのZERO」があります。正式名称は「もみじ山文化センター」で、大ホールやプラネタリウムを備えた中野区の文化施設です。地下の区立中央図書館は、蔵書約50万冊と都内でも有数の規模を誇ります。

C11形 蒸気機関車

隣の紅葉山公園には、本物の蒸気機関車が置かれています。C11形という機関車で、昭和47年まで宮城県の石巻線を走っていたそうです。

紅葉山公園

「紅葉山」の名前は、大正時代にこのあたりにもみじがたくさん植えられていたことが由来です。訪れたときはまだ緑色でしたが、紅葉の季節にまた歩きに来たくなりました。

まとめ:進化する駅前と変わらないディープな魅力

新しい改札や駅ビルの建設が進み、大きな変化の時を迎えている中野駅。その一方で、昭和の面影を残す商店街や、時を止めたように静かに佇む中野サンプラザ、そして緑豊かな公園や歴史ある寺社など、多彩な魅力がコンパクトに凝縮されていました。

どこか懐かしく、歩くたびに新しい発見やディープな刺激に出会えるのが中野の最大の魅力です。次の休日は、カメラを片手にワクワクが止まらない中野の街を歩いてみませんか?きっと、お気に入りの景色が見つかるはずですよ!

Youtubeもやってます