秋葉原って、何度来てもやっぱり面白い。そんなことを改めて実感したゴールデンウィークの一日でした。駅を出た瞬間からもう別世界で、ガチャガチャの列、人混み、ネオン、騒がしさ、それなのになぜか心地よいあの空気。あっちをキョロキョロ、こっちで足を止めて、そんなことばかりしていたら、気がつけばかなりの距離を歩いていました。
今回は、お店に入って何かを買うとか、特定の目的を持って動くというより、純粋に“GWの秋葉原”を見て歩きたくてカメラ片手にぶらぶらと。あちこちで立ち止まって写真を撮って、雰囲気を味わって、気になった店の名前をメモして、また今度ゆっくり来ようって思えるような、そんな発見がたくさんありました。
人の多さも含めて秋葉原の魅力。ふだんは見過ごしてしまうような細部が、じっくり歩くとちゃんと目に飛び込んでくるんですよね。歩いたからこそ楽しかった、そんな一日でした!
秋葉原駅に到着!駅構内からすでにアキバワールド
総武線のホームから電気街口へ向かうコンコースに足を踏み入れた瞬間、目に飛び込んできたのはズラリと並んだガチャガチャの山!数にして百台以上……というのは大げさじゃないと思います。

ガチャガチャの周りには人の山。ファミリーや海外からの観光客が楽しそうにカプセルを眺めていました。まだ改札を出る前なのに、すでに“アキバっぽさ”が全開でちょっと笑ってしまいました。
そして電気街口の改札を出た瞬間、目の前には人、人、人!駅前の広場はまるで人の波で、歩くのも一苦労なほど。息苦しさすら感じるほどの混雑でしたが、「あぁ、GWだなぁ」と実感もわいてきます。
秋葉原のシンボル「ラジオ会館」は入店すら行列!

駅前から正面に見えるのが、秋葉原のランドマーク「ラジオ会館」。巨大な黄色い看板が目を引いて、思わず写真を撮りたくなります。
この10階建てのビルには、フィギュアやカード、アニメグッズなどを扱うお店がびっしりと入っていて、アキバを象徴するような存在です。私も何度か訪れたことがありますが、今回は建物に入るだけで行列ができていて驚きました。てっきりイベントかと思ったら、通常営業でこの混雑。さすがです……!
軽く覗くぐらいしようかな、とも思ったのですが、入店の行列だけでお腹いっぱいになってしまい断念しました。店内はどれだけ熱気で溢れているんだろう、と想像するだけでも圧倒されそうです
表通りから離れて、ジャンク通りへ避難

あまりの混雑に息が詰まりそうだったので、ちょっとルートを変えて裏通りの「ジャンク通り」へ。ここはガジェット屋さんや中古パーツ屋さんがひしめく、ディープなアキバらしさが味わえるエリアです。
避難するつもりで来たジャンク通りも人が多いですね。普段は目立つ客引きのメイドさんたちも、今日ばかりは人並みに埋もれていい意味で目立っていません(笑)
ここで思わず立ち止まったのが、日乃屋カレーの看板。あきばお〜2号店のすぐ横にあって、2016年からあるそうなのですが、私は今までまったく気づいていませんでした。最近好きになったカレー屋さんなので、「えっ、ここにあったの!?」と嬉しい発見でした。

さらにその店先では、ハサミとカッターが合体した“謎ガジェット”がワゴンで売られていて思わず注目。こういう、便利そうなのにちょっと変なグッズがごく自然に売られているのが、アキバらしくて好きなんです。

ジャンク通りは“食”の誘惑だらけ
ジャンク通りをもう少し北へ歩いていくと、「野郎ラーメン 秋葉原店」の前に到着。店頭の看板を見ると、ちょうどゲーム作品とのコラボ中らしく、力強いビジュアルが目を引きました。入り口の前にはしっかり行列。調べてみるとコラボが始まったばかり&GW、ということもあってか、なかなかの賑わいでした。

それにしても、ここまで歩いてきただけでも、やたらとカレーとラーメンのお店が目につきます。秋葉原って、カレー激戦区でもあったんだなと実感。
通りのすぐそば、アパホテルの1階には「スープカレー 心」の看板を発見。北海道発のスープカレー専門店で、前に別の場所で食べたときの記憶が一気によみがえります。具材が大きくて、スパイス感のあるスープがクセになるあのお店。まさか秋葉原でも見かけるとは思っていなかったので、ちょっとテンションが上がりました。

そこからすぐ近くには、「九州じゃんがらラーメン」。こちらは秋葉原で人気の定番店ですね。人だかりで店内の様子が見えないほどです。並ぶとしたらどれぐらいの待ち時間になってしまうのでしょうか。

じゃんがらの道を挟んだ向かい側には、秋葉原の空気とはちょっと違った雰囲気の建物。ノーガホテルの1階にあるBARが、思いがけず落ち着いた空間を作り出していました。外観も内装もおしゃれで、ここだけ東京の別エリアに来たような静けさ。ピザとお酒のお店。“スパニッシュイタリアン”がテーマのお店らしくて、夜にもう一度来たらすごく良さそうです。

アキバプレイスに肉の万世がやってきた
中央通りを北に進んでいると、「AKIBA PLACE」のビルが目に入りました。建物の入口近くに設置された看板を見ると、「肉の万世 アキバプレイス店」の案内がしっかり出ています。現在はこのビルの3階で営業しているようです。
2024年3月まで万世橋の近くに本店ビル(通称:肉ビル、万世ビル)がありましたが、そちらは老朽化のため閉館。今はこのアキバプレイスが実質的な拠点になっているようです。
そんなアキバプレイス入口にも人だかりが出来ていて、エレベーター待ちの行列になっているようです。
肉の万世ビルはいつか行きたいと思って結局行けず……閉館は残念ですが、こちらの新店舗にはいずれ行きたい思います。
アキバのシンボル「ガチャポン会館」

アキバプレイスを通り過ぎて再びジャンク通りへ戻ってきました。目的のひとつでもあった「秋葉原ガチャポン会館」に到着。小さなビルにガチャガチャがぎっしりと詰まったアキバならではのお店ですね。
ここも入り口の前には列ができていました。幸い列の進みは早かったので少し見学。しかしただでさえ狭い店内に人がぎゅうぎゅうなので、これは大変。息苦しさに早々にギブアップしてお店の外に出てきました。
めずらしいガチャガチャがたくさんあったので、GWではない日に改めて訪れたいスポットになりました。
末広町でようやく休憩タイム
ガチャポン会館を離れてからは、中央通りを北に進み、末広町方面へ向かいました。人混みの密度も少しずつ落ち着いてきて、歩くスピードがようやく戻った感じです。
まず立ち寄ったのは、交差点の角にある「CAFE OASIS」。ふわふわのカステラパンケーキと水出しコーヒーが名物ということで気になっていたお店です。
店頭の様子を見てみると、ちょうど満席のタイミング。中には入れないこともなさそうでしたが、パンケーキは調理に30分かかることでも知られているため、今回は断念しました。空腹というより、まずは座って落ち着きたかったので、さらに先へ進みます。
SHANGS CAFEで静かに一息
そこから数分歩いてたどり着いたのが、「SHANGS CAFE」。末広町駅前の交差点からまっすぐ数分進んだところにあります。建物は控えめな外観で看板も小さめ。一瞬見逃しそうになりましたが、Googleマップの口コミ評価が高かったので目をつけていたお店です。
店内は想像よりずっと落ち着いていて、派手さはなく、どこか昔ながらの喫茶店のような空気があります。静かな店内で、テーブル席よりもカウンターが中心。席の間隔が広めに取られているので、混み具合に関係なくゆったり過ごせるのが好印象でした。
注文したのは、店名を冠した「シャンズブレンド」と、ベイクドチーズケーキ。コーヒーは香りが強すぎず、酸味も苦味も抑えめで飲みやすいバランス。飲み進めていくと、ほのかにフルーティーな余韻が感じられて、ブラックでも十分楽しめました。
チーズケーキは濃厚だけど重たくはなく、しっかりと焼き込まれたタイプ。決して“映え”を狙ったような華やかさはないけれど、落ち着いた空間で食べるにはちょうどよく、むしろ安心感があります。
周囲も静かで、ノートPCを開いて作業している人や、本を読んでいる人がちらほら。常連客と観光客が半々といった雰囲気でしたね。
この日一番、気を抜けた時間だったと思います。
話題のハンバーグ屋、開店前にチェックだけ
シャンズカフェで一息ついたあとは、横断歩道を渡ったすぐ先にある気になるお店、松屋精肉店のハンバーグ専門店を見に行ってきました。SNSで見かけてとっても気になっていたんですよね。この後、予定があるので食事まではできませんが、場所だけでも確認しておこうと思って寄り道してみました。
店の前に着いたのは、ちょうど開店前の時間帯。お店の外からは準備をしているスタッフさんの姿が中でちらっと見えました。小さなお店ですがのぼりと看板はかなり目立つのですぐ見つけられました。外看板のメニューを見るだけでも期待値が上がります。
メニュー看板は、英語表記になっていたのでインバウンド客もターゲットにしているのでしょうね。
今回はあくまで通りがかりの下見でしたが、今度は時間を合わせて食べに来てみたいと思えるお店でした。場所も覚えたので再訪はしやすそうです。
裏道から駅前へ。イベント中のアキバ・スクエアに遭遇
末広町から秋葉原へ戻ります。
人混みを避けるため、中央通りから田代通りへ移動し、南に抜けると再び秋葉原駅の北側に戻ってきました。駅のすぐ横にある大型複合施設「秋葉原UDX」まで来ると、また人の密度がぐっと上がります。
UDXの脇にある外階段を上がってみると、ちょうどその先に広がっていたのが「アキバ・スクエア」。この日は「絵師100人展」が開催されていて、案内パネルが出ていました。人はポツ、ポツといったところですね。
中までは入っていないので、中は盛況かもしれません。当日券の売り込みもされていました。GW期間中で秋葉原での展示は終了。6月からは大阪に移るそうです。
UDXの空中回廊は広く、人もほどほどなのでGW期間中であっても歩きやすいですね。
このまま駅を通り抜けて、今度は中央通りの南側へと進みます。
中央通りを南下しながら、かつての万世ビルを眺める
UDXを抜けたあとは、再び秋葉原駅の電気街口側に戻って、中央通りを今度は南へ向かって歩きました。時間帯的にも人通りは多く、信号待ちのたびに周囲がぎっしり詰まるような状態です。
万世橋では外国人が熱心に神田川を撮影していました。そして万世橋の先に見えるのは以前「肉の万世ビル」があった跡地。といっても、現在は取り壊しの真っ最中で、かつての姿はすでにありません。工事用フェンスに囲まれ、かつての姿を確認することすら出来ませんでした。解体工事は2025年9月まで続くそうです。
かつては上の階に行くほど高級になるといわれていた万世ビル。今回の旅では食事目的ではなかったものの、いずれ訪れたいと思っていた場所でもあったので、間に合わなかったのが少し残念でした。
静かな空気が心地いい、柳森神社でひと息

万世橋を渡って少し歩いたところに、今回の散策でどうしても立ち寄りたかった場所“柳森神社”があります。アニメ『シュタインズ・ゲート』に登場する「柳林神社」のモデルのひとつとされているスポットで、聖地巡礼に訪れるファンにとってはおなじみの場所です。作中では、ルカ子(漆原るか)がいる場所として知られています。
実際に訪れてみると、思っていたよりも落ち着いた雰囲気。ちょうどこの日も、巡礼っぽい雰囲気の方が数人訪れていました。作品が放送されたのはもう10年以上も前ですが、今でもこうして足を運ぶ人がいることに、静かな感動がありました。
和泉橋から望む、書泉ブックタワーの存在感
柳森神社からすぐの場所にある「和泉橋」。そこからふと視線を上げると、目の前にどーんと現れるのが「書泉ブックタワー」です。名前のとおりタワー型の建物で、まるでこのエリアのランドマークのようにそびえ立っています。
外観は少し無骨な印象もあるけれど、それがまた“専門書の砦”っぽくて雰囲気がありますね。館内は9階建てで、鉄道・格闘技・将棋・ミリタリー・アイドル・ラノベなど、かなり尖ったジャンルの本が並んでいます。鉄道ファンからは“聖地”とまで呼ばれているそうです。
最上階ではイベントもちょくちょく行われているようですね。
アイドルイベントやサイン会が中心のようですが、興味がある方は事前に公式サイトで確認してみましょう。
書泉ブックタワーも人がすごそうだったので、ここも今回は眺めるだけです。また次回にでも訪れたいですね。
秋葉原を歩ききって

というわけで、ゴールデンウィーク真っ只中の秋葉原をぐるりと歩いてきました!
駅前から人でごった返していて、お店に入るのも一苦労なほどの混雑。でも、だからこそ街の熱気や勢いを全身で感じられて、「ああ、やっぱり秋葉原ってすごいな」と改めて思わされました。
今回はあえて買い物や食事メインではなく、“街を歩くことそのもの”を楽しむつもりで回ってみたのですが、これが思いのほか楽しくて。通りの雰囲気とか、店頭のワゴンとか、混雑の中のちょっとした空白とか。そういうものひとつひとつが“秋葉原っぽさ”なんだと気づかされました。
もちろん、また改めて平日に来て、気になったお店にちゃんと入ってみたい気持ちもあります。次こそは、万世でお肉も食べたいし、末広町のカフェ巡りも再挑戦したい!
今回の散策で、秋葉原って“予定を詰めすぎずに歩く”のが一番いい楽しみ方なんじゃないか、と思えました。街のあちこちに仕掛けがあって、ちょっと立ち止まるだけで、新しい発見がある。だからこそ、また歩きに行きたくなるんですね。
それでは今回はこのへんで。読んでいただき、ありがとうございました!