夜6時でほぼ店じまい!?静かな商店街と賑やかな海、「夜の熱海」を歩いてきました
昼間の賑やかな熱海も楽しいですが、少し日が落ちてからの「夜の熱海」を歩いたことはありますか?今回は沼津観光からの帰り道、夕暮れ時の熱海にふらりと立ち寄ってみました。いつもとは違う静かな商店街や、日本初と言われる砂浜のライトアップなど、夜だからこそ見えてくる熱海の新しい表情にワクワクしっぱなしの散策でした!夏の夕涼みにぴったりな、思いがけない発見に満ちた夜の熱海さんぽの魅力をお届けします。
夕方5時の熱海駅前、まずはカフェで日暮れ待ち
熱海に着いたのは夕方5時すぎ。7月なので空はまだ明るく、これから暗くなっていくところです。夕方だからか、駅前で目立っていたのは、観光客よりも学生さんの姿でした。散策するには少し早い時間なので、まずはカフェで時間を調整することにします。
向かったのは、駅から歩いて2分ほどのタリーズコーヒーです。ホテル「プリンス スマート イン 熱海」の1階にある、去年できたばかりのお店。熱海では初めてのタリーズなんだそうで、宿泊客でなくても入れます。
夕方5時半なのに、店内のお客さんは私のほかに一人だけ。駅前のカフェはどこも混み合うので、静かに座れるのは嬉しい誤算です。頼んだのはアイスのハニーミルクラテ。はちみつの甘さなのにくどくなく、後味はすっきり。歩き疲れた体に、ちょうどよく染み渡りました。
夕暮れの駅前と、静寂に包まれた「平和通り・仲見世商店街」
6時に駅前へ戻ると、人の姿が少し増えていました。ちょうど帰宅時間なのかもしれません。駅前にある足湯「家康の湯」も夕方4時で終了しており、お湯が抜かれた状態でしたが、ベンチ代わりにくつろぐ人たちの姿が見られます。
まずは駅から続くアーケード「平和通り名店街」へ。日中なら干物や温泉まんじゅうの食べ歩きでごった返す場所ですが、6時の時点ですでにほとんどのお店がシャッターを下ろしていました。この時間はもう無理なんですね……。
隣の「仲見世通り商店街」ものぞいてみましたが、こちらもほぼ全滅。それでも行き来する人は多く、7時くらいまで開いていてもよさそうに思えるのですが……。
食べ歩きができなかったのは少し残念ですが、行き交う人はまだ多いのに、お店のシャッターだけが下りてひっそりとした商店街の風景は新鮮です!アーケードには「熱海海上花火大会」や、数日後に控えた「來宮神社例大祭(こがし祭り)」の幟がかかっており、夜ならではの街の空気を感じることができました。
坂を下って、ようやく会えた「貫一お宮の像」
熱海サンビーチへ向かう道は、駅のあたりからずっと下り坂です。急なところもあって、早くも帰りの上り坂が心配になりました。夕方から海へ向かう人は少ないだろうと思っていたのに、観光客らしき人やファミリーがけっこう歩いています。
海に出る直前に、「貫一お宮の像」へ寄り道。熱海には何度も来ているのに、この像のことだけは毎回きれいさっぱり忘れていて、一度も見たことがなかったんです。ようやくこうして見ることが出来ました。
像が再現しているのは、明治時代の小説「金色夜叉」の別れの場面。金色夜叉は熱海を全国に知らしめた作品で、舞台になったのがこの海岸でした。
主人公の貫一には、お宮という許嫁がいました。ところがお宮は、お金持ちの男性のもとへ嫁ぐことを選んでしまいます。裏切られた貫一が、お宮を突き放す。それが像になっている場面です。男性が女性を足蹴にしているようにも見えますが、背景を知ると受け取り方が変わってきますね。
すぐ隣には「お宮の松」も植えられています。もともとは「羽衣の松」と呼ばれていましたが、小説の人気にあやかって名前が変わったそうです。
夕暮れの熱海サンビーチ
サンビーチに着いたのは6時半すぎ。水平線のあたりがほんのりピンク色で、波もほとんどありません。遠くには初島も見えて、日が沈み始めるちょうどいいタイミングでした。
人は思っていたよりずっと多く、砂浜で遊ぶ人や、階段に座って海を眺める人がたくさんいます。海水浴シーズンには少し早いので泳ぐ人はいませんが、家族連れが目立っていましたね。カップルばかりだと思い込んでいたので、いい意味で予想外でした。
熱海サンビーチは、日本で初めて砂浜をライトアップしたビーチです。手がけたのは、東京タワーや姫路城のライトアップも担当した照明デザイナーの石井幹子さん。月の光をイメージした淡いブルーに照らされることから、「ムーンライトビーチ」と呼ばれているそうです。点灯は日没から夜10時までとのことで、これを楽しみにしてきました。
「恋人の聖地」ムーンテラスで日没待ち
ところが、砂浜はまだ点灯していません。7月は日が長いので、明るさがこういうところで裏目に出ます。せっかくなので、すぐ近くのムーンテラスで待つことに。
ムーンテラスは「恋人の聖地」と言われている場所ですが、目についたのはベンチでぐったりしている観光客の姿。一日歩き回ってきた側としては、気持ちがよくわかります。
それでも景色は本当に素敵で、夕暮れから夜へ移っていく空の色がどんどん変わっていきます。私もここで一休みさせてもらいましょう。
……しかし夜7時になっても、思ったほど暗くなりません。砂浜を確認しに行きましたが、ライトアップはやはり確認できませんでした。「ライトアップは日没から」らしいので明るいのが原因でしょうね。気にはなるものの、一旦散策を続けることにしました。
お囃子が響く、夜の熱海銀座商店街
熱海銀座は、サンビーチから歩いて10分かからない場所にあります。日中なら観光客で賑わう場所で、狭い歩道に行列ができ、車道も車が行き交う通りです。7時を過ぎた今は、そのどちらも静かなものでした。人気の「熱海プリン2号店」も、当然ながら閉店済みです。
道中からずっと気になっていたのが、あちこちから聞こえてくる太鼓の音。建物の中から響いてくるようで、どこでやっているのかわかりません。正体は、お囃子を練習している方々でした。商店街のアーケードに幟が下がっていた「來宮神社例大祭」が、数日後に本番を迎えるので、その練習をしているんですね。
お祭りは見られませんでしたが、本番前のワクワクした空気に出会えたのはうれしい偶然でした。
桜の名所は夜も気持ちいい「糸川遊歩道」
熱海銀座のすぐ隣を流れる川沿いに、糸川遊歩道があります。以前ここに来たのは1月下旬で、早咲きの熱海桜が川沿いにずらっと咲く、とても華やかな場所でした。
夏の夜は緑が生い茂り、川のせせらぎが心地よい落ち着いた空間になっていました。こちらでもお祭りの設営準備が進んでいて、街全体がイベントを待ち望んでいる熱気が伝わってきます。
ついに点灯、夜のサンビーチ
駅へ戻る帰り道、すっかり暗くなったサンビーチへもう一度立ち寄ってみました。
すると、ついにライトアップが点灯していました!遊歩道沿いのヤシの木が下から緑色に照らされ、砂浜には月の光をイメージした淡いブルーの光が広がっています。
ただ、想像していたよりはずっと控えめです。月の光をイメージした淡いブルーなので、派手なイルミネーションではなく、しっとりとした照明という雰囲気でした。それでも人の多さは相変わらずで、夜が更けても熱海サンビーチは賑やかなままです。
街全体がお祭り気分!夜の坂道を登って熱海駅へ
サンビーチから駅までは、行きに下ってきた急な坂と階段をひたすら登ります。夜風が吹いているとはいえ、今日一番の汗だくになってしまいました。
8時前の平和通り名店街は、アーケードの明かりは煌々とついているものの、行きよりもさらに静かで歩く人もまばらです。そんな中、通りの中に立派なお神輿が出番を待っているのを発見し、思わず足が止まりました。ここでもお祭りの準備が進んでいたんです。街中の至るところで準備が進む光景が、この日いちばん印象に残りました。
まとめ:意外な発見がいっぱい!夜の熱海さんぽ
お店のほとんどが閉まっているという予想外の展開から始まった夜の熱海散策でしたが、昼間の喧騒とは違う静かな商店街や、美しいグラデーションの夕空、そして地元のお祭りに向けた活気ある空気など、夜だからこそ出会える新しい魅力がたくさん詰まっていました。
温泉に入った後の夕涼みや、美味しいご飯の後の散歩コースにもぴったりかもしれません。皆さんもぜひ、いつもとは違う表情を見せてくれる「夜の熱海」をふらりと歩いてみませんか?
