【神奈川・二宮駅】海と山が徒歩圏内!吾妻山の菜の花と駅前グルメを巡る欲張り散歩
東京駅から電車で約70分。神奈川県中郡にあるJR東海道線「二宮駅」にやってきました。お隣の大磯と並んで「湘南の西のはずれ」に位置する、人口約3万人ののどかな町です。
この町の最大の魅力は、なんといっても「海と山が徒歩圏内」にあること。南へ7分歩けば相模湾が広がり、北へ5分歩けば標高136mの吾妻山(あづまやま)へ登ることができます。
吾妻山は毎年1月から2月にかけて「菜の花」が満開になることで有名なスポットです。今回は3月初旬の訪問だったため「見頃に間に合うかどうか…」とハラハラしながらの駆け込みでしたが、駅周辺の歴史やグルメもあわせて大満喫してきました!
駅前に刻まれた平和への祈り「ガラスのうさぎ像」
南口を出てすぐの場所で、目を引く銅像に出会いました。これは児童文学『ガラスのうさぎ』をモチーフにした像です。
1945年の終戦直前、この二宮駅周辺はアメリカ軍の機銃掃射を受け、多くの民間人が犠牲になりました。目の前で父親を亡くした少女の体験をもとに作られたこの像は、見る人によって「深い悲しみ」にも「力強い意志」にも見えると言われています。この小さな駅のすぐ前に、平和を語り継ぐ大切な歴史が静かに刻まれているのですね。
パン屋「クレメンス」で山頂ランチを調達
さて、いよいよ吾妻山へ向かいますが、その前に駅近くのパン屋「クレメンス」でお昼を調達します。山頂で菜の花を見ながら食べるお昼は絶対美味しいはず……!
「クレメンス」は口コミによると、お昼過ぎにはほとんど売り切れてしまう人気店とのことです。到着した12時半には棚はかなり空っぽに近い状態。それでもまだ10種類ほど残っていたので、「こだわりカレーパン」と「ピザロール」の2つを無事ゲットしました!
いざ吾妻山公園へ!想像以上にハードな階段
南口から駅を通り抜けて北口へ。歩いて2分ほどで吾妻山公園の入口に到着します。山頂までは約700m、標高136mなので「ちょっとした丘」のつもりで来たのですが……入口から見上げる階段がずっと上まで続いていて、正直ちょっと甘く見ていました。
登り始めてすぐのところに「ともしびショップ なのはな」という軽食ショップがあります。障がいのある方と地域の方が一緒に働いている喫茶店で、手作りランチがリーズナブルに食べられるそうです。さすがにまだ登り始めなのでスルーしましたが、下山後に寄るというコースもよさそうですね。
階段の途中にもちょこちょこ菜の花が植えられていて、「全く見られずに終わる」という最悪のシナリオは回避できそうでひと安心。ただ、最初の階段を登りきった時点でもう息切れ全開です。案内板を見ると、まだ序盤中の序盤……。寒い時期のはずなのに暑くてダウンジャケットを脱ぎました。
途中の見晴らし休憩スペースからは、まだちょっとしか登っていないのに二宮の街と相模湾が一望できます。この先はさらに期待できそうです。ここから先は整備された階段が終わり、緩やかな上り坂に変わるので、少し楽になりました。
寄り道スポット「浅間神社」── 曽我兄弟ゆかりの古社
少し進むと「浅間神社(せんげんじんじゃ)」があったので寄り道。鳥居の先には一応階段らしきものが続いているのですが、高さも間隔もバラバラのガタガタ道で、歩くのがなかなか大変です。
奥にたどり着くと、社殿がひとつだけの静かな場所。御祭神は富士山の女神・木花咲耶媛(このはなさくやひめ)で、鎌倉時代にあの有名な「曽我兄弟の仇討ち」に縁がある神社なんです。二宮に住んでいた兄弟のお姉さんが毎日ここで祈願し、仇討ちが成功した感謝を込めてこの吾妻山に建てたと伝わっています。小さなお社に800年の歴史ドラマが詰まっているのが面白いですね。
飲み物は管理棟の正面!
山登りを再開して進むと、途中に大きな滑り台がありました。他にも子どもの遊具があり、この日もご家族が楽しそうに遊んでいました。
近くの管理棟の正面に自動販売機を発見。パンは買ったのに飲み物を買い忘れてたので助かりました。Qooのりんごを購入して早速一口……疲れた体に染みます。ちなみにこの先、山頂の広場には自動販売機がありません。飲み物はここで買っておくのが正解ですね。
山頂の菜の花畑は「ギリギリセーフ」の絶景!
そしてついに展望台に到着!
シーズンの2月末は過ぎていましたが、満開と言っていいぐらい菜の花が咲いていました!本当の最盛期はもっとすごいのかもしれませんが、これだけ咲いてくれれば大満足です。諦めずに来てよかった……!
あいにくの曇り空で富士山や箱根は見えなかったものの、一面の菜の花と左手に広がる相模湾の組み合わせがとにかく綺麗。菜の花の背中側には丁寧に整備された芝生広場も広がっていて、歩いているだけで菜の花の香りがふわっと漂ってきます。
菜の花を眺めながらの山頂ランチ
芝生広場の休憩スペースで、さっそくクレメンスのパンをいただきます!
「こだわりカレーパン」は中辛ぐらいのカレーがたっぷり入っていて、疲れた体が回復していくのがわかる大当たりの一品。「ピザロール」も定番の安心するおいしさでした。菜の花の香りに包まれながらの食事はなかなかの贅沢です。
吾妻神社 ── 約1900年の歴史と伊東忠太の設計
食後は、芝生広場から階段を下ってすぐの「吾妻神社(あづまじんじゃ)」へ。お賽銭箱の前にあったパンフレットによると、創建は約1900年前と伝わる古社で、御祭神は日本武尊(やまとたける)の妻・弟橘姫命(おとたちばなひめのみこと)。日本武尊が東征の際に、嵐を鎮めるため海に身を投じたという悲話が残っており、「縁結びの神様」として信仰されています。
そしてこの社殿、実は築地本願寺や平安神宮を手がけた明治〜昭和の建築の巨匠・伊東忠太の設計。こんな小さな山の上の神社をあの伊東忠太が手がけていたとは驚きです。
梅沢海岸 ── 山から海へ、徒歩10分の大転換
吾妻神社の参拝を終えたら山を下り、今度は海へ向かいます。下山地点から徒歩10分もかからないのがこの町のすごいところ。
山と海のちょうど中間あたりに、吾妻神社の鳥居だけがポツンと海に向かって立っています。さっきの弟橘姫の悲話を知った後だと、この鳥居がちょっと感慨深く見えてきます。
海に到着すると、山頂のにぎわいとは打って変わって人はまばら。足元は砂浜ではなく大きめの砂利で、散歩向きとは言いがたいビーチですが、この「人の少ない静かな海」という雰囲気がむしろ心地よいです。
さっきまで山頂で菜の花を見ていたのに、もう海にいる。この距離感が二宮ならではですね。
地元に愛されるレトロ喫茶「カルチャー」でホッと一息
海を満喫して再び駅前まで戻ってきたら、歩き疲れた体を休めるためにカフェタイムです。今回は北口のすぐ近くにある昔ながらの喫茶店「カルチャー」にお邪魔しました。
店内は地元のおばさま達で賑わっており、手作り雑貨も並ぶアットホームで温かい空間です。山登りで火照った体に、少し苦味の効いた冷たいアイスコーヒーが心地よく染み渡ります。静かな喫茶店でまったりと余韻に浸る、散策の締めくくりにぴったりの時間でした。
まとめ
一日歩いて気づいたのですが、二宮の駅前には大型スーパーが見当たりません。その代わり、駅前には八百屋さんが二軒もあって威勢のいい声が響いていました。スーパーがない分、個人のお店が町を支えている独自の活気があるんですね。
山頂の菜の花と相模湾の絶景、800年〜1900年の歴史を持つ神社、静かな海、そして地元に愛される喫茶店。小さな町にこれだけの魅力が徒歩圏内にギュッと詰まっている二宮、ぜひ一度訪れてみてください!