相鉄いずみ野線のいずみ中央駅を散策してきました!
横浜市泉区の行政の中心として区役所や文化センターが集まる一方、和泉川の自然や泉小次郎ゆかりの史跡も残るエリアになっています。
実際に歩いてみると、便利さと落ち着いた雰囲気が同居していて、のんびり散歩にぴったりの街でした。
いずみ中央駅と泉区について

いずみ中央駅は1990年開業の比較的新しい駅です。泉区は横浜市の南西部に位置し、平坦な相模野台地の上に広がっています。西側には境川と和泉川が流れ、自然と住宅が調和したエリアとして知られています。
鎌倉時代には泉小次郎親衡(いずみこじろうちかひら)が「泉親衡の乱(いずみちかひらのらん)」を起こした地でもあり、その名残が史跡や伝承として周辺に点在しています。歴史と暮らしが重なり合うのが泉区の大きな特徴です。
相鉄ライフいずみ中央と文化センター

駅を出てすぐ目の前にあるのが「相鉄ライフいずみ中央」。スーパーのそうてつローゼンや100円ショップ、カフェやファストフードなどがそろい、日常生活を支える役割を担っています。ケンタッキーやモスバーガーといった定番チェーンも入っていて、地元の人々の生活拠点になっていました。
さらに、このビルの3階には「泉区民文化センター・テアトルフォンテ」があります。座席数は359席で、演劇や音楽イベント、市民の発表会まで幅広く利用される文化施設です。1993年に開館し、現在は相鉄企業が指定管理者として運営。入口を抜けると広いロビーと高い天井が広がり、区の施設とは思えないほどモダンな空間でした。
和泉川「地蔵原の水辺」

駅横を流れる和泉川沿いに整備された親水広場が「地蔵原の水辺」です。名前は泉小次郎が戦死した勇士を弔うために建てられた地蔵に由来し、歴史的な背景も持つ場所。
春は桜、夏は水遊びと季節ごとに賑わいますが、私が訪れた時は人工池の水量が少なく、子どもたちの姿は見られませんでした。猛暑のせいかな…?それでも遊歩道はよく整備され、ベンチに腰かけて涼むのも心地よい空間。春に再訪して桜を見てみたいと思わせるスポットです。
長福寺

和泉川に沿って歩くこと5分ほどで「長福寺」に到着。小さなお寺ですが、泉小次郎ゆかりの地として知られています。
小次郎は鎌倉幕府の御家人でしたが、二代将軍・源頼家の遺児を担ぎ北条義時打倒を企てました。しかし計画は失敗し、鎌倉を逃亡。その後の行方は不明と伝えられています。大きな戦には至らなかったものの、幕府を揺るがす大事件でした。
境内は規模こそ小さいものの、庭木が丁寧に手入れされていて、地域に守られ続けていることが伝わってきますね。
須賀神社(和泉の天王様)

長福寺のすぐ隣にあるのが「須賀神社」。泉小次郎の館を守る鎮守社だったといわれ、乱は失敗しても信仰は残り、今も「和泉の天王様」と呼ばれ親しまれています。
歴史上の人物が、数百年を経ても暮らしや信仰に影響を残していることを実感できる神社でした。
泉中央公園

須賀神社からすぐの場所にある「泉中央公園」は、小次郎ゆかりの史跡が集中しています。「親衡館跡」と伝わる土塁や空堀、さらに「馬洗いの池」と呼ばれる伝承の池も残されていました。
池に少しゴミが浮いていたのは残念でしたが…それでも「歴史が土地に刻まれている」ことを強く感じます。失敗した武将であっても、地元では英雄的に語り継がれ、地域の記憶として残っている。泉小次郎もそんな存在なのだと改めて思いました。
公園内は遊具や広場もあり、子どもたちの遊び場としても活用されていました。観光地として派手さはありませんが、日常の風景に歴史が自然と溶け込んでいることが印象的でした。
珈琲専門店 亜煉路館 いずみ中央店

駅前の相鉄ライフ1階にある「亜煉路館」で休憩。白壁と木のテーブルが並ぶ明るい店内には大きな焙煎機が置かれ、本格的なコーヒーを扱う雰囲気が漂っています。
私の後にも、常連客らしき人々がふらっと来店してきて、地元に根づいた喫茶店だと感じました。

モーニングセットを注文し「まろやかブレンド」とツナサンドをいただきました。素朴ながら満足度の高い味で、サラダも付いてちょうどいい朝食になりました。
泉区総合庁舎・泉公会堂

駅からほど近い場所にある「泉区総合庁舎」、つまり泉区役所。1986年の区設置と同時に誕生した施設で、生活に関わる行政窓口が集まっています。
築30年以上ですが、中は吹き抜けで開放感があり、エントランスや待合スペースもゆとりのある造りで結構かっこいい作りになっています。

隣接する「横浜市泉公会堂」は600席のホールを備え、吹奏楽や合唱の発表会、地域の式典など幅広く使われています。
音響が良いと評判で、子どもから大人まで文化活動の舞台として親しまれているそうです。
区役所と公会堂が一体となって立地しているのが特徴的ですね。
和泉遊水地

さらに北へ進むと「和泉遊水地」が広がっています。洪水対策として整備された治水施設ですが、普段は駐車場や広場、運動場として市民に開放されています。
エリアは第1池から第4池まで分かれており、第1池は駐車場、第3池は多目的広場、第4池は少年野球やサッカーの練習に利用されています。

第2池にはナイター設備を備えた「イラコテニスカレッジ泉中央校」があり、本格的なテニスコートとして地域のスポーツ拠点になっています。
治水と市民の憩いの場を両立させた場所で、広々とした空間は散歩やジョギングにも最適でした。
麺’sレストラン YABU

散策の締めは「麺’sレストラン YABU」。横浜名物サンマーメンが評判のお店です。
ラーメン屋というより広い食堂のような店内で、カウンターからお座敷まで座席が充実。家族連れでも入りやすそうな雰囲気です。

サンマーメンは醤油ラーメンに野菜あんかけを乗せた横浜発祥の一杯。食べてみるとスープはコクのある醤油味で、出汁と香辛料がしっかり効き、野菜の甘みと相性抜群。もやしやキャベツ、にんじんがたっぷり入り、とろみで最後まで熱々のままいただけました。期待を上回る味わいで「これを食べにまた来たい!」と思わせる満足度の高い一杯でした。
まとめ
いずみ中央駅周辺を散策してみると、駅前の商業施設や文化センターから、和泉川沿いの憩いの場、泉小次郎ゆかりの史跡、公園や区役所、遊水地まで、思っていた以上に見どころが多いことに驚かされました。
特に印象的だったのは、暮らしの中に歴史が自然と組み込まれていることです。泉小次郎の物語が地域の伝承として残り、街のあちこちで感じられるのはこのエリアならではの魅力だと思います。
そして最後に味わったサンマーメンは散策を締めくくるご褒美のような存在。
アクセスも横浜方面や海老名方面へ出やすく便利で、隣駅のゆめが丘駅には大型商業施設「ソラトス」もあります。
歴史と自然、そして暮らしやすさが調和した泉区の魅力を、ぜひ一度歩いて体感してみてください!