横浜駅から京急の快速特急で約16分。金沢文庫駅は「日本最古の武家文庫」の名を受け継ぐ、鎌倉時代の歴史が息づく街です。今回はレトロな商店街を抜け、息をのむほど美しい庭園が広がる称名寺(しょうみょうじ)、そして横浜市内唯一の海水浴場「海の公園」までを巡る大満足の散策をしてきました!

お寺、博物館、まさかのプチ登山、最後は海と、予想以上に多彩な金沢文庫の魅力をたっぷり味わってきました。

すずらん通り――戦後生まれのレトロな商店街

すずらん通り商店街

金沢文庫駅の東口を出てすぐ目の前に広がるのが、1951年スタートの「すずらん通り商店街」です。かつては横浜初の全蓋式アーケードがあり、NHKでも話題になった歴史ある通り。

すずらん型の街灯

現在はアーケードこそ撤去されていますが、可愛らしいすずらん型の街灯が、当時の面影を残しています。きれいに整備された通りは、縁日が似合いそうな親しみやすい雰囲気!少し短いのがもったいないくらい、歩いていてワクワクする空間です。

キッチンさがら――称名寺手前の町の洋食屋さんでランチ

キッチンさがら

商店街を抜けた先の静かな住宅街にあるのが、町の洋食屋さん「キッチンさがら」。称名寺へ向かう道中にあり、散策途中のランチにぴったりのお店です。

キッチンさがらのオムライス

注文したのは評判だったオムライスです。これがやけどしそうなほど熱々!しっかり味のついたケチャップライスを厚めの卵が包み込み、どこか今風の絶妙な味付けです。ハフハフと頬張れば、午後から歩き回るためのエネルギーもしっかりチャージできます。(※オムライスは14時までの張り紙があったので、お昼限定メニューかもしれません)

称名寺――朱色の反橋と阿字ヶ池が織りなす浄土の絶景

お腹を満たしたところで、いよいよ今日のメインイベント、称名寺へ向かいます。キッチンさがらからまっすぐ道なりに進むと、すぐに鮮やかな朱塗りの門が見えてきます。

称名寺の赤門

これが称名寺の惣門、通称「赤門」。1771年に再建されたもので、ここから先がお寺の神聖な敷地です。ちなみに、Googleマップで「称名寺」と検索すると、この赤門を通らないルートが案内されることがあるので、「称名寺 赤門」で検索してこの門から入るのがおすすめです。

赤門をくぐると参道がまっすぐ伸びていて、ピンクのぼんぼりがぶら下がっています。お祭りのようなムードで歩いているだけで楽しい!

称名寺の仁王門

参道の正面に現れるのが仁王門。左右に安置された阿形(あぎょう)と吽形(うんぎょう)の仁王像は筋肉ムキムキで、今にも動き出しそうなド迫力です。

称名寺の阿形

そしてこの仁王門の先に広がるのが、称名寺の真骨頂、阿字ヶ池(あじがいけ)を中心とした浄土式庭園です。晴天だったこともあり、朱色の反橋(そりばし)と池の組み合わせが息をのむほどの美しさ!

称名寺の浄土式庭園

仁王門から反橋を渡って中島へ、さらに平橋(ひらばし)を渡って金堂へと至る動線が「極楽浄土」を表現しています。この景色を見られただけでも、金沢文庫に来た甲斐がありました!

称名寺は鎌倉時代に北条実時が建立した金沢北条氏の菩提寺で、1259年ごろの創建。庭園は1323年に描かれた「称名寺絵図」をもとに1987年に復元されたもので、国の史跡にも指定されています。歌川広重が描いた金沢八景のひとつ「称名晩鐘」も、ここの鐘楼がモチーフです。

称名寺市民の森――想像以上にガチな山登りと北条実時の墓

称名寺の裏手には「市民の森」があります。公園のようなものをイメージしていたのですが……いざ足を踏み入れてみると、これが完全に山登り!急な石段は不揃いで、今日のような晴天の涼しい日でもなかなかしんどい。夏場は特に注意が必要だと感じました。

称名寺市民の森の山道

息を切らしてたどり着いた八角堂広場は、眺めは悪くないものの、登りのハードさに比べるとちょっと物足りない印象……。

八角堂広場からの眺望

帰りは案内板にあった北条実時のお墓を経由して下山するルートを選びましたが、登ってきた道の倍以上の距離があり、足元が不安定な箇所もあるので歩きやすい靴は必須です。

北条実時は学問好きの武将として知られ、和漢の書籍をコツコツ集めた蔵書がのちの「金沢文庫」になった人物です。

墓地の中央にある宝篋印塔が実時のお墓と伝えられていて、金沢文庫という地名のルーツとなった人のお墓が、山の中にひっそりたたずんでいるのが印象的でした。

北条実時のお墓

なお、称名寺は庭園エリアだけでも十分すぎるほどの見応えがあります。市民の森は本格的なハイキングコースなので、体力と時間に余裕があるときにチャレンジするのがおすすめです。

神奈川県立金沢文庫――日本最古の武家文庫を受け継ぐ博物館

金沢文庫へ続くトンネル

称名寺からは、緑に囲まれた雰囲気抜群のアーチ型トンネルを通って「神奈川県立金沢文庫」へ直接アクセスできます。壁に浮世絵プレートが飾られた短いトンネルを抜けると現れるのが、駅名の由来にもなった歴史博物館「神奈川県立金沢文庫」です。

神奈川県率金沢文庫

北条実時が作った武家文庫をルーツに持ち、現在は鎌倉時代を中心とした国宝や重要文化財などを展示しています。コンパクトながら見応えは抜群で、神々しい金色の弥勒菩薩像など、山登りの疲れも忘れて見入ってしまいました。館内には自家焙煎珈琲のカフェもあるので、歩き疲れた際の休憩スポットとしても優秀です。

海の公園――横浜唯一の海水浴場で潮風に吹かれる

海の公園

金沢文庫を出て、歩くこと約10分。次の目的地「海の公園」に到着です。横浜市内で唯一の海水浴場を持つ公園で、約1キロにわたる砂浜が広がっています。この砂浜、自然に見えますが実は千葉県から運んだ砂で人工的に作られたものだそうです。

海の公園で潮干狩り

空が大きく開けて開放感たっぷり!すでに潮干狩りを楽しんでいる人たちの姿もありました。春先から無料で潮干狩りができるのも人気の理由で、3月中旬から9月中旬まで長いシーズン楽しめます。ビーチバレーに興じるグループもいて、海に遊びに来た気分が一気に高まります。

なぎさ広場

さらに奥には「なぎさ広場」と呼ばれる芝生の多目的広場もあり、森林浴からビーチ、芝生広場まで揃った最強クラスの公園です。おまけに八景島シーパラダイスもすぐ目の前で、この近くに住んでいる方が本当にうらやましくなります。広い空と海がどーんと広がる絶景と開放感は、称名寺の庭園とはまた違った感動がありました。

海の公園の眺望

公園からは金沢八景大橋にも足を伸ばしました。「かながわの橋100選」に選ばれたこの橋には金沢八景のレリーフが飾られていて、のんびり眺めながら歩くのも楽しいひとときです。橋を渡ればその先は八景島シーパラダイスです。

金沢八景大橋

まとめ

レトロな商店街に始まり、鎌倉時代の絶景庭園、まさかの山登り、そして開放感あふれるビーチまで。金沢文庫駅周辺は、一日では遊びきれないほど多彩な顔を持つ街でした。

特に称名寺の美しい反橋と、海の公園の心地よい潮風は、ぜひ現地で体感してほしい場所です。今度の休日は歩きやすい靴を履いて、歴史と海を楽しめる金沢文庫散歩に出かけてみませんか?

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